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地球の子ども新聞135号(133号改訂版)

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e0247355_284985.jpg135号は133号の改訂版です。東電福島第一原発事故による日本全土の汚染マップに原発をはじめ核施設の稼働状況を地図に落とし込みました。前の133号を制作したときは大飯原発3、4号機が再稼働していました(2012年7月から)。今回の号では商業原発の全てが停止中。原発ゼロを記録する全土汚染マップになっています。

2013年9月2日に大飯原発3、4号機が定期点検のために停止してから、以来1年3か月455日間(11月末)、日本はニュークリア・フリーの日常を送り、停電などの問題も起きませんでした。

今年の重大ニュースは、まるごと1年間、ニュークリア・フリーだった事実をトップにあげるべきでしょう。しかし、この年末に出る予定の差し止め訴訟の判決次第ですが、九州電力は来年初めに川内原発を再稼働する予定ですし、関西電力は老朽原発・高浜原発1、2号機について原則40年の運転期間を延長する検討をしています。多くの方に全土汚染マップを貼り、原子力の平和利用のあやうさ、偽善性や不可能性をいま一度、根底から問いかけていただけたらと思います。

老朽原発の目安、運転40年というと、福島第一原発で最初に爆発した1号機も、あと十数日で40年をこえる運転の最中でした。もし、1号機の爆発をくい止めることができたら、複数原子炉が同時多発的にメルトダウンする世界初の連鎖事故は起きなかったと考えられています。

NHKスペシャル「メルトダウンー原子炉"冷却”の死角」で、1号機は40年の運転期間中、非常用復水器(イソコン:アイソレーションコンデンサー)の試験を一度もしていなかった事実が明らかになりました。オフィスビルやマンションの非常ベルでさえ、年に一度の定期点検で動作確認をしているのに、福島第一原発ではこの非常用設備の稼働試験を40年間、全くしてこなかったのです。事故原因の究明が進むほど唖然とする状況が明らかになっています。東電も原子力行政も原発が核兵器と同様のエネルギーを利用しているという根本認識を忘れた欠陥組織だったように感じます。過去40年間、だれも非常用設備の点検をしていない状況を問題視しなかったのでしょうか。事なかれ主義は大組織病といわれますが、構成員ひとりひとりが上層部へのおもねりと服従意識から本来あるべき職業意識と責任感を欠如した体質になっていたとしかいいようがありません。

その結果、福島第一原発では吉田所長を含め非常用復水器の稼働状態をだれ一人として把握できていませんでした。稼働点検を全くしてこなかったのですから、真っ当な事故対応などできるわけがありません。「今回はぶっつけ本番(の事故対応)がすべて失敗した」と、宮野廣教授(法政大学)は指摘し、二ノ方壽教授(東工大)は、もし非常用復水器が働いていれば「ほとんど放射性物質の放出はなかった」と断言しています。

しかし、非常用復水器は止まっていたのです。それでも1号機は冷却ができていると思い込み、最も重要な初動の事故対応に失敗し、1号機はメルトダウン。建屋最上階に水素が充満し爆発。放射線レベルが上がり、救援物資の搬送の妨げとなって、冷却ができていた2号機、3号機、4号機の事故対策も暗しょうにのりあげ、いままでに人類が経験したことのなかった複数原子炉の同時多発メルトダウンという連鎖事故になりました。そして、この汚染マップのように日本列島は全域で放射能に汚されたのです。

解説版でお話をうかがったロシア科学アカデミー評議員のヤブロコフ博士は、チェルノブイリ事故後25年目にして、ようやく健康被害のピークを超えたかもしれないと話していました。チェルノブイリの救援をした人々は「チェルノブイリ事故は終わらない」「終わっていない」と繰り返し、健康被害が急カーブで上昇するチェルノブイリの様相を警告してきました。これからフクシマも同様に終わりのみえない過程に入ってくるでしょう。これに対する備えは日本でまったくできていません。

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by chikyunoko | 2014-11-23 09:00

地球の子ども新聞134号(132号改訂版)

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134号は132号の改訂版です。東電福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故との汚染地域の比較マップを新しくしました。

今回、東日本の汚染マップは英語版と同様、文部科学省の第5次航空機モニタリングと近畿地方の航空機モニタリングの測定結果をベースに、東日本のγ線線量率図を参考にして、年間0.5〜1ミリシーベルト(3万7000〜14万8000ベクレル/m2)の範囲も示しました。フクシマとチェルノブイリの汚染状況の比較がしやすくなっています。

チェルノブイリ基準は汚染区分であると同時に住民保護区分です。チェルノブイリでは、黄土色の年間1ミリシーベルト以上の汚染地域から避難・移住ができ、濃いピンクの年間0.5ミリシーベルト以上の地域でも妊産婦や子どもの場合、避難・移住を可能にしています。しかし、日本では年間20ミリシーベルト以上で避難、それ以下で帰還可能とされ、事業再開(宿泊原則禁止)が奨励されています。放射線による健康影響を考えると、ありえない状況です。

チェルノブイリでは年間5ミリシーベルト以上は居住禁止ですが、それ以下なら居住できるかというと、決してそうではありません。日本でもレントゲン技師など放射線業務従事者の女性が妊娠中(妊娠と診断されたときから出産までの間)に、腹部表面の被曝は2ミリシーベルトが線量限度です。放射能の汚染が広がれば、レントゲンとは違って呼吸と食事からの内部被曝の影響も考慮する必要があります。それを考えれば、年間1ミリシーベルト以上から避難・移住できるチェルノブイリ基準の判断は妥当です。とくに妊産婦や子どもの場合はより注意をして年間0.5ミリシーベルト以上から避難・移住を可能にしています。この理由については、法令の年間1ミリシーベルト基準というのは原発が平常に動いているとき(計画的被曝状況)の基準だと、ロシア科学アカデミー評議員のヤブロコフ博士に伺いました。重要なのは事故が起きたときの基準ではないのです。事故が起き、放射能が放出・飛散した場合は、どんな核種で被曝したのかわからないので、より保守的な、厳しい放射線防護が求められるからです。

年間1ミリシーベルトという国際基準も原発や放射線機器を運用する側の自主基準です。放射線防護に安全基準という言葉はありません。科学者の共通認識として「どれだけ線量が低くてもその線量に応じたリスクが存在する」と考えるべきなので、線量限度という用語が生まれたのです。

*「地球の子ども新聞」134号:定価600円(送料込み)
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by chikyunoko | 2014-11-22 09:00