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地球の子ども新聞130号(解説版付き)

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 地球の子ども新聞130号は「放射能汚染マップ入門」(写真上)です。この4月から全国の小中高等学校で放射線教育が始まっています。しかし、使われる放射線副読本には東電福島第一原発事故の記述が「まえがき」以外、どこを探してもありません。本文には、原発事故について一行の説明も一枚の写真もないのです。何のための放射線教育なのか、この期におよんでも、なぜ事故を隠す教育をするのか疑問が広がっています。

※放射線等に関する副読本(文科省のHP)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/detail/1311072.htm
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/1313004.htm

 子どもたちは原発事故を目隠しにした教育をされ、どう思うでしょう。小学生でも原発と放射能の関係ぐらいは分かります。事故後、何人もの子どもたちが涙を浮かべている姿を目にしました。「大人たちは放射能汚染から私たちを守る気がないのではないか」と口にする子もいました。事故よりも事故を隠す大人の姿勢に幻滅していたのです。

 放射能の危険性を子どもたちに伝え、注意を促すことは大人として最低限の責任です。人間の手で放射能を無害化できないことを知りつつ核エネルギーの利用を拡大し、人が近づくだけで死亡する核分裂生成物を大量に生みつづけてきたのです。それが事故で環境中に大量に放出された現状を考えれば、少なくとも、身の回りの放射能汚染レベルを子どもたちに知らせなければいけないでしょう。しかし、それさえも副読本はしていないのです。

 昨年12月に当時の中川正春文科大臣(現防災大臣)は、副読本の委託先(日本原子力文化振興財団)が「適当ではなかった」と釈明しました。改善されると思いましたたが、そのまま全国の学校に発送されました。そのため、「地球の子ども新聞」では、急きょ放射能汚染マップを特集することにしました。

 副読本を使った授業では、小学生にまで『「はかるくん」(文科省・貸し出し放射線測定器)を使って学校の中や周りを測ってみよう』という実習を計画しています。しかし、教師用解説書に、学校の周囲を事前調査し、ホットスポットや側溝・藪など線量が高い場所を調べるなどの記述が「指導上の留意点」にありません。まるで、原発事故がなかったかのように「自宅の庭、道路、田畑、神社、寺院、公園」など、ホットスポットになりやすい測定場所を一例としてあげています。

 また、放射能が含まれやすい「雨や雪の降り始めの大地」の測定さえ勧めているのには驚きます。先生に充分な準備と批判的見識がなければ、地域によっては、子どもたちに無用な被曝をさせるおそれさえあるでしょう。

 放射線による細胞の損傷は、細胞分裂時にダメージが大きく、成長期の子どもほど被ばくのリスクは高く、大人の何倍にもなります。それを可視化するため、子どもの立場でみた放射能汚染マップを作図してみました。昨年、年20ミリシーベルト(mSv)の避難基準に「科学的根拠に欠ける」と日本医師会が声明をあげ、日弁連も会長声明を出し、多くの環境NGOや市民が撤回を求めましたが、1mSvを目標とするとしながら文科省はその期限を示していません。副読本でも、一方的な政府の意見だけを押しつけ、正当化に利用しています。本来、異論の多い政策については両論を併記し、教育・学問の自由を保障して、判断力を養うのが教育行政の役割ですが、その務めを果たしていません。教育を利用した事故隠し・汚染隠しに加え、放射線の危険性隠しのための副読本としての記述ばかりが目立ちます。
 
 異論を排除し、多様な意見から認識を深めることを拒否する教育は民主主義の教育でなく、異端排斥の不寛容な宗教教育や独裁国家の教育です。それに近い日本の教育の性癖が、地震や津波の危険性を指摘してきた市民の意見に耳をかさず、世界最悪の原発事故という日本の失敗を準備してきたのではないでしょうか。できれば、多くの方が本号を購入し、近隣の学校に寄贈していただきたいと願っています。

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 弊紙の解説版(写真左)では、昨年、衆議院科学技術特別委員会・参議院予算委員会で福島第一原発事故の健康影響について参考人として陳述した矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授(物性物理学博士・市民と科学者の内部被曝問題研究会)に、測定マップの見方、内部被曝の本質的な問題、政府・文科省が依拠するICRP(国際放射線防護委員会)の批判内容、自然放射能と人工放射能の挙動の違いなどをインタビューしました。

 また、全国化する放射性の災害ガレキの広域処理について、編集部では放射線防護の第1原則である「遮蔽」と正反対の「拡散」につながるので反対しています。災害廃棄物処理特措法と放射性物質環境汚染対処特措法の運用上の問題点について考えた一文を掲載しました。

*「地球の子ども新聞」130号:定価600円(送料込み)
 ★体裁 B2判カラーポスター(解説版A4版8頁付き)
 ★年間(隔月刊)購読料 3600円(送料込み)
*お申し込みは
 「地球の子ども新聞」まで
 peco02@lapis.plala.or.jp 
 ☎03-3703-9468
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by chikyunoko | 2012-05-17 08:56


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